中原昌也のB面に触れる[中原昌也の人生相談 悩んでるうちが花なのよ党宣言]

捨て台詞のような題名の自叙伝以来、ひさびさに出た中原昌也の新刊はなんと人生相談…。

人生相談といえば、ひねくれた高校時代、
ホットドッグプレスで北方謙三の「試みの地平線」を読んでた頃のような

あの名言、お願いだからもう一回言って〜！みたいなゲスい期待で
いつもの中原昌也の「書きたくて書いてるんじゃない」みたいな悪態をつきまくってるのかなと
興味本位で買ってみたら中身は真剣そのもの。

ニートで拒食症の兄弟に声をかけられない義兄、
彫り師の祖父の跡を継ぎたくない孫、
野球バカで頭が悪くて全く尊敬できない上司の顔にだけは欲情してしまうOL、
ぬいぐるみ離れができない中学生の息子の不気味さにどう接したらいいか分からない母親…
へんてこでも当人にとっては深刻な悩みに
自らもくよくよ悩んで生きてきた中原昌也が
今までの小説からは意外なほど真摯に、もちろんいつものユーモアたっぷりの回答。
回答に加えて悩みに関連した映画も紹介。(ここで落ちがつくパターンにニヤニヤ…）