お盆休みの間に一度やってみたいことがあった。
最近巷でブームの兆しのサウナ、
愛好家の「サウナー」のひとたちがよく言う「ととのった」って状態、
いったいどういうことなんだろう?
どうせならサウナ芸人のおすすめの「ウェルビー」で試してみたい。
でも一見さん価格、2,570円はちょっと高い…潰れた「激安温泉 極」なら5回行ける!
金券屋に行ったら回数券のバラ売りとか、安く売ってるんじゃないの?と高をくくっていたが
どの金券屋でも「サウナフジ」の券しか売ってないんだよな…。
行こうか迷っていたところ、今池まつりのパンフレットの裏に
今池のウェルビーのお試し券(3時間 – 1,000円)を発見。
渡りに船!
トヨタのディーラーから持ってきたのだろうか、キリンが目印の今池のウェルビー、
ザ・男の城!って感じでもなく改装した銭湯のような外観。
ちなみに店の前の通りは「ウェルビー通」と言います。
スパ銭はよく行くけど
サウナ、15年ぶりぐらいなので見るものすべてに好奇心。
シャンプーひとつとってもTSUBAKI・ラックススーパーリッチシャイン・冷やしシャンプー…と
至れり尽くせりなのにいちいち感動。
体を洗った後は飲み放題の麦茶で喉を潤すと共に、発汗に備える。
名駅・栄の店と違い、
今池のウェルビーは露天風呂のスペースがあってサウナの後に外気浴ができるのに加えて
1人用の茶室のようなサウナ「からふろ」があるのが魅力。
奈良の法華寺の浴堂をモチーフにしたという「からふろ」、
とにかくコンパクトであぐらをかくと身動きも取れない。
目の前の焼けた石にひしゃくでジャージャー水をかけると熱気が充満、
身体中の汗腺という汗腺が解放。
おっさんの皮膚でもきれいなかたちの玉のような汗が吹き出るのを
タオルで拭かずになんとなく眺めていたくなる。
サウナは「サウナ→水風呂→外気浴」というルーティンでワンセットなので
十分に汗をかいた後は間髪入れずに水風呂へ。
焼き入れをした刀が一瞬にして収縮する感じ、ここでなら溺死してもいい…。
そして外気浴。
デッキチェアの上にあおむけになり、目をつぶると
温→冷の急激な変化で血流が活性化してきて、脈がドクドクいってるのがわかる。
チェアの下から強く吹き込むビル風が体を撫でるのが心地よい。
そのうち体がふわふわとしてきて、延々前のめりに倒れていくような感覚が。
輪っかに乗ってぐるぐる回る、
「ラート」に乗ったときってこんな感じなのかな…乗ったことないけど。
で、これがいわゆる「ととのった」というやつなのだろうか?
貧血でたちくらみをおこしているのとなんだか変わらないような…でも気持ちいい。
……気が付いたら2時間近く寝ていた。
制限時間は残り30分、あっという間。
と、ここでウェルビー名物の「ストレッチロウリュ」実施のアナウンス。
これを逃すわけにはいかない!
それほど広くないサウナ室は熱波を待ちかねていた同志でいっぱい。
何も考えず「裸」で来てしまったけど、「サウナパンツ」ってああ使うのか…。
と場の半分ぐらいが着用していたオレンジのトランクスに無駄に関心。
「ストレッチロウリュ」は
背中に「熱波」と書かれた黒いTシャツを着た、ロウリュマイスターによる
慣れた口調の淡々としたロウリュプログラムの説明とストレッチから始まる。
おお、博多華丸の「細かくて伝わらないモノマネ」と何から何まで同じだ…。
石にアロマオイルの入った水をかけ、室内に水蒸気を発生。
それをマイスターがタオルでかき混ぜていくと、
「もうやめてくれ~!」と言いたくなる、既に心の中では叫んでいる、一段強い熱流。
ペパーミントのアロマが漂っているので苦しいようで爽やかさもあるという、何か変な感じ。
続けてマイスターが一人一人に大きなタオルを振り下ろし、全力で熱波が送られる。
バーベキューの金網の上で炙られてるような感じ、ここでたまらず「うっ」と小さな呻き声を出してしまう。
熱波に耐えきれず、1人が中抜けしていくのをチラ見、
これを抜けると快感があるというのに…と
サウナをよくわかってない自分をごまかしつつ、背中にもさらに熱波を受ける。
ロウリュをやりきったマイスターは汗だくの裸の男たちからの暖かい拍手を受け、
「ストレッチロウリュ」は終了。
ウェルビーに来るまでは見ず知らずの関係だったはずなのにちょっとした連帯感が生まれている場、
なんだかおもしろい。
ロウリュの後は一目散に「冷凍サウナ」に避難。
冷蔵庫のチルド室のような部屋の中で湯気がでた体を急速に冷ましつつ、
腰掛けの脇の冷却パイプの霜をコリコリ爪でこそいでいくだけで永遠に暇がつぶせそう…もう帰りたくない!
次こそは会員証作って泊まりで来ようと決意した。