現代版「成り上がり」としてもヒップホップ哲学書としても… 漢 a.k.a. GAMI「ヒップホップ・ドリーム」
「フリースタイルダンジョン」でのモンスターっぷりはもちろんのこと、
スキャンダルの渦中の加藤紗里にラップさせた「ガリガリサリ」の一件以来、
MC漢が気になり始め、去年出ていた自伝「ヒップホップ・ドリーム」を旅行中に購入。
帰りの新幹線の中で一気に読み切ってしまった。
新宿で育った不良が、暴力、裏切り、イリーガルなビジネスの蔓延るアンダーグラウンドをサバイブしていく描写、
MCバトルで「刺すぞ」ってつい口にしてしまったら、本気で刺しに行ってしまうような
どこまでも「リアル」を追求するカルトな原理主義=ヒップホップへの純粋さにヒリヒリしたり戦慄する一方で、
読んでて新鮮だったのが
キャリアで上下関係があるような一方で、ヘタしたら30過ぎの年上の相手を「君」付けで呼ぶような
タテでもヨコでもない、「ナナメ社会」を含めた日本のヒップホップシーン独特の関係性やルールの解説。
MCバトルをテレビやネットの動画で観るだけでもおもしろいけど
マイク一本で戦うラッパーがどんなことを考えているか、ちょっとでも興味があればぜひ。