自転車技士・安全整備士試験 ホイール組についての覚え書き
自転車技士・安全整備士の試験の難関といえばホイール組を思い出す。
ホイール組はそれだけで本一冊分は必要な内容なのに
まともな参考書が存在していない。
専門店に勤務していれば先輩方からの相伝の技を伝授してもらう機会もあるんだけど…。
藁をもすがる気持ちでサイクルメンテナンスのDVD「ホイール組の達人」に手を出す人、多いと思うけど
(自分もそのひとり)
あのDVDは元々精度の高いリムやスポークを使っての説明のため
試験で使うような安物の自転車のホイール組には応用しづらい。
1からのホイール組、しばらくやっていないが
実技試験に受かることを最優先した結果、当時教えてもらったやり方はこんな感じ。
公式テキスト「自転車組立、検査及び整備マニュアル」は
表紙からしてイタリアン組でのホイール組を推奨しているのだが、
左右同じ組み方でスポークのあやとりがやりやすいのでJIS組を選択。
ハブにスポークを全て通し、6本組で組んでいく。
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ニップルはねじ山が見えなくなる程度までマイナスドライバーで締め込む。
試験で使った安い自転車のホイールはスポーク長のばらつきが多いように感じたので
この時点では同じ回転数で締めてもあまり意味はないと判断。
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ニップルを締めて調整を詰めていくよりは、
ニップルを緩める調整でまずは横振れから取り、その後に縦振れを元に戻していく。
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縦ぶれ・横ぶれが許容範囲内に収まったらニップルを同じ回転分だけ締めてスポークテンションを上げていく
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センターゲージでセンターを確認、どちらかに寄っていれば片方だけ同じ回転分だけ締め込んでセンター出し。
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ホイールに体重をかけてなじみ出し
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再度振れを確認
慣れてくると
目は縦横のセンサープレートとリムの隙間を凝視、
耳は「カシュッ…カシュッ…」とリムがセンサープレートにあたる音で振れが出ている箇所をチェック、
片手でどれだけニップルを回して調整したか触感で覚えておきながら、ニップルを締め付けたり緩めたり、
もう片手ではスポークテンションのばらつきがないかどうかスポークをニギニギして確認しながら
ホイールをゆっくり動かして振れが出ている箇所を洗い出す、みたいな振れ取り作業ができるようになってくる。
こだわりたいのはニップル回し。
シンプルで精度の高そうなパークツール製品もいいんだけど、
練習や試験で使用したHOZANの振れ取り台 C-330の縦方向のセンサープレートを微調整するのに
リング型のニップル回しを指にはめたまま「コン…コン…」と
センサープレートのリムに接する面の反対側に当てると1ミリ以下の微調整がしやすいため、
ブリヂストンサイクルのパーツカタログに載っていた「14-15」なる型番のニップル回しを薦められ、使っていた。
これの利点はもうひとつあって、#14と#15のニップル用の溝しか彫っていないため
使用する片方の溝にマジックで印をつけておけば、
どの溝で締めこめばいいか迷うことなく締め込めるのもありがたかった。
[次回へつづく]