おっさん漫画誌の認識のままじゃもったいない[週刊漫画TIMES・週漫電子]
いまだに塚本馨三画伯の極彩色の美人画の表紙や「どくだみ荘」のイメージが強いのか、
漫画ゴラクとともにハードル高めのおっさん漫画誌のツートップとして
定食屋の油っぽいマガジンラックに君臨する、「週刊漫画TIMES」。
黄金期のジャンプ作家の登用で”あの頃の”熱血さを出しつつ、
借金・ヤクザ・麻雀といった漢の漫画の基本コンセプトを崩さないゴラクに対して、
「週漫」は、あの美人画の表紙がなくなった頃からなんだか雰囲気が変わってきた気がする。
萌え4コマのアニメ化でヒットを飛ばす版元の方針転換なのか、
ビックコミックオリジナルとか、モーニングのマンガみたいに
メディアミックスを意識するようになってきたというか…。
基本一話完結ストーリーの連載は読みやすいし、
たまたま定食屋で暇つぶしに読んだ号が、
以前の認識と違って、興味をそそる内容だったため、
泰苑で最新号を追っかける程度だけどチェックしている。
中でもおすすめはとっかかりに最適なこの2作。
ほのぼのした動物マンガかと思いきや、濃厚な自転車描写とのギャップに驚く
「かわうその自転車屋さん」(こやまけいこ)と、
花のズボラ飯テイストのほんわかタッチながら
おっさん描写もそつなくフォローするところが新鮮な、「ごほうびごはん」(こととも子)。
この2作は週漫がニコニコ静画でやっているWebコミック、
「週漫電子」にも出張掲載されているので
試しに読んでみてほしい。
ただ、「解体屋ゲン」とか、「なみだ坂診療所」とか
看板作品のおっさん向け人情マンガを一切スルーしているのは
若干さみしいところはあるのでやっぱり本誌にもトライしてほしいかなあ。
今週号、ぶっちぎりに良かったのはやはり「ごほうびごはん」。
おっさんがデニーズの「たらマヨポテト」の食い方を語る
週末ファミレス呑み話に早速行きたくなる衝動を抑えつつ、
巻末の針すなお先生の一コマ漫画まで読み切ったら
君も立派なおっさんだ!
週刊漫画TIMES公式Webサイト
http://shukanmanga.jp/
週漫電子(毎月第2、第4金曜日更新)
http://seiga.nicovideo.jp/manga/official/shukanmanga