持たない・手放す、気持ちよさ[中崎タツヤ – もたない男]

昨日のミニマリストの生活を見て、
漫画家・中崎タツヤが自らのシンプルライフについて語るエッセイ、「もたない男」のことを思い出した。
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5月末に文庫版も出たのでAmazonはもちろん、その辺の本屋でも手に入れやすいはず。

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自称・スッキリ病の作者の仕事場、究極。ガス台のうえで描いてたときもあったとか。

読んでて思ったのは、ものを使わずにしまいこんでおくことはよくあることだけど、
まだ使えるから、みたいな理由で
しょうもない状態のものを使い倒しまくっていることってこともよくあること。
うちだとバスタオルとか、ふとんのシーツなんかがそう。
毎日のように使うものだけど
捨て時を失ってすり切れたボロ雑巾のような状態になっても何となく使い続けてしまう。
こういうものこそ捨てるべきなんだよな…。
中崎氏の、過去の原稿まで捨ててしまうという割り切り方、手離れの良さ、
さすがにマネできないけど読む分には気持ちよくてクセになります。

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そういえば、ビックコミックスピリッツの巻末で連載していた
中崎氏の代表作の「じみへん」が、残り五回で連載終了というニュース。
「もたない男」には新規の仕事はよっぽどのものでもなければ断っている話が載っていたので
連載すらも「もたない男」になってしまうのだろうのか…。今後が気になります。

7/7「おはよう日本」のミニマリスト特集を観て。

出かける前に見ていた、 NHK「おはよう日本」でやっていた
モノを持たない人「ミニマリスト」特集、編集者の佐々木さんの部屋の中が衝撃的だった…。


服も6着を着回し。フランス人を超えている!

箱膳にごはんをのせて正座して食べるシーンが映っていたけど
番組内で見る限り、電化製品の類いはMacBook Airとジューサー?以外見かけなかったので
鍋で炊いてるのか、「サトウのごはん」みたいなパックめしをレンジでチンか湯せんしているのか…。
どこまで物を置かなくても生活が成立するか、当事者でなくても思いを巡らしてしまうこの感じ、
ゲーム感覚の面白さがあるのかも。

ミニマリスト、突き詰めると原理主義者っぽくなってくるところはなかなか真似はしにくいけど、
マンガは持たないで本棚代わりに漫喫を使うとか、
応接間代わりに喫茶店やバーを使うとか、
都市生活でなら、意外とモノや場所、居心地って所有しなくても
アウトソーシング可能なところがあったりするので、
考え方のひとつとして取り入れてみるのはアリかも…。

ブランド小麦粉で作るとピザはうまくなるのか

好きなだけピザが食べたい。
どうせなら生地やソースから自分で作ったほうが
その分うまかろうと思うんだけど、生地に使う小麦粉がなんだか気になる。
米ならコシヒカリ、ササニシキ、あきたこまち、ひとめぼれ…と
ちょっとしたスーパーにでもブランド米が何品種も置いてあるけど、
小麦粉(強力粉)となると、スーパーレベルじゃ日清製粉の「カメリヤ」ぐらいしか置いてない…。
あれがもっと選べたらもっとうまいものが食べられるんじゃないだろうか?

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というわけで、デパートによく入っている食材専門店、富澤商店までやってきた。
名古屋なら松坂屋の北館(2015.07現在1F)とミッドランドスクエアの地下にあります。
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小麦粉コーナー。
国産の小麦粉から全粒粉、ホームベーカリー専用粉までいろいろ。
強力粉の銘柄も、
「イーグル」、「ベルムーラン」、「レジャンデール」、
「ゴールデンヨット」、「スーパーキング」…
いかつい名前でいかにも強力感ありそう。

買ってきたのはラーメン二郎の自家製の麺に使われていることで有名な強力粉、「オーション」
1kgで290円、スーパーで「カメリヤ」買うよりちょっと安い。

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灰分値が高い=小麦の精製度が低いので小麦の香りが強い
強力粉の中でも麩質が強い=モチモチ感が強い

という利点はピザにも生かせそう。

[つづく]

読むヒップホップ。[ ECD – 失点・イン・ザ・パーク]

ひとり暮らしについて書いた本の中から、きょうはECD 「失点・イン・ザ・パーク」を紹介。

 

一生遊んで暮らせる人生。誰でも一度は夢見ることだろう。
この三年間の自分はそれに近かった。その結果がアル中である。
そして、今は余っている時間は同じだが、それをやり過ごすための金が無い。
金を遣わずに時間をやり過ごす闘い。それが僕の闘病だ。(本文 P.83より)

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90年代後半、著者のECDはラッパーとしてメジャーデビュー。
日本の音楽史に残るヒップホップイベント「さんピンCAMP」をプロデュース。
その成功もつかの間、快楽のまま自堕落な生活に溺れ、気付けばアルコール依存、精神病院への入院、鬱…。
レコード会社との契約の先行きも怪しくなり、
今までの生活にに見切りをつけようとハローワーク通いを始めるも、
好きなことだけして生きてきたこれまでの人生、気づけば家族も学歴もクルマの免許さえもない40男。
飼い猫のため、ホームレスにならないため、
身に不相応とは分かりつつも東京・下北沢の家賃11万円のアパートを維持するため、
メイクマネーしなければならない…。

 

独特な視点ながらも描写はリアルで淡々と綴られる。
ドラマチックな出来事も、アル中のきっかけになる過去の肉体労働の話も、
地元をあてもなく散歩するような何気ない日常描写も等価値に配置され、話のグルーヴを作っていく。
作中にも曲づくりのシーンがあるけど、
様々なレコードからサンプリングされた音の断片を組み立て、
一曲として成立させるヒップホップを文章で読んでいるかのような感じ。
あまり救いのないダウナーな話だけど読後には奇妙な高揚感が残る。

出したい!けど出せない時の苦しさ… [泉昌之 – ロボット]

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食マンガの不朽の名作、泉昌之『かっこいいスキヤキ』の中の短編、「ロボット」。

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表紙の劇画タッチなトレンチコート男が
深夜、こってりしたにんにくラーメンを食べ過ぎて腹を壊し、
家までの帰り道に襲いかかる便意に限界まで抗うも…と、
日常のちょっとしたこだわりや葛藤を今作ではシモ方面に掘り下げ。
ラストページの「ロボット」状態、せつなすぎる…。

ローソンが先駆けてトイレを公に開放して約20年、
日常での惨劇は減っているのかな?と思いきや、
今でもネット上の匿名の「漏らした告白」ってとどまることを知らない。
出先で突如として勃発する腸内テロに対して
紙もなく、ましてや「ストッパ」なんて持っているはずもない無防備な状態、みんな、ほんとどうしてるんだろう?
個人的なライフハック?としては、
自転車での帰り道限定だけど、わざわざコンビニチェックラリーのようなルートで帰ったりしてます…。
というか、無意識レベルであの恐怖から逃れるために自転車通勤にこだわり続けているのかもしれない。